スタッフブログ

スタッフブログ

雷の中国顧客訪問出張日記

できごと

    みなさん、こんにちは!
    今回のブログは、中国出身の雷が担当します。

    雷さんが空港で撮影した写真

    今回の出張について

    7月10日から13日と、いったん帰国はしましたが再度、17日から19日まで、母国中国に出張してきました。
    今回の出張の目的は、弊社の機械・製品の良さを中国の人たちにもっと知っていただくこと、そして、すでに機械を受注いただいている企業様との最終打合わせです。基本的に海外出張の際、現地では商社の方と一緒に行動をします。

    さて、いまや日常の必需品ともいえるスマートフォンですが、その多くは中国で生産されています。トーコーでは、スマホ内部に使われている液晶フィルムをはじめ偏光フィルムなど様々なフィルムを裁断する機械を製造・販売しています。

    弊社と取引のある中国をはじめ、他の国のお客様からも、日本で大きな買い物をするときは「日本文化が分からずに困る」という声がよく聞かれます。私自身も初めて日本に来たときは、文化の違いで戸惑うことが多々ありました。
    そういった経験をふまえて、互いの国で違う文化や慣例、ビジネス常識の違いなどの情報をこのブログを通して発信し、日本と中国をつなぐ友好の懸け橋に少しでもお役に立てたらと考えています。

    さて、話は出張に戻ります。
    トーコーの機械を使ってくださっているお客様のほとんどが「スマホからテレビまでいろいろな形状にフィルムをカットしたい」という要望をお持ちです。しかし、たとえ高額の予算をいただいたとしても、限られた納期や環境の中で期日までに機械を納入することは、とくに海外取引の場合、簡単な事ではありません。
    やはり事前の入念な打ち合わせや確認作業は、機械の性能以上に大切な側面を持っているので、今回の出張でもお客様が現在抱えている問題の解決やお客様がどのような要望をお持ちなのかしっかりと理解できるように頑張ってきます。
    それと!久しぶりの本場の中国料理にも出発前からワクワクしています。

    日本から香港へ

    まずは、7月10日、関西国際空港を出発し香港に向かいます。

    7月10日香港着 写真

    香港の空港には18時30分ごろ到着し、本場の小籠包をいただきました。

    小ろん包アップ

    小ろん包

    香港からはタクシーで1時間ほど走り、明日訪問する会社のある深センに向かいます。
    深センに到着したのは20時30分を過ぎていたので、軽く食事をしてホテルに向かい、この日は終了です。

    深センのフィルム加工業者様を訪問

    翌日11日午前は、今回の出張訪問1社目、深センにあるフィルム加工業者様に向かいます。こちらの業者様は、スマートフォンの内部に使用されるフィルムの裁断・加工をメインとしている会社で、主な製品納入先は中国国内の液晶パネルメーカーです。

    ここでは、すでに受注してくださっている機械をどこに設置するかCAD図を見ながら打ち合わせし設置場所の最終確認を行います。
    裁断機は重さが15tもあるので、場合によっては床を補強する必要があります。
    調べてみると今回は補強が必要だったのでその補強場所、さらに機械のサイズも大きいので搬入口の確認も忘れてはいけません。
    その他にも前回の打ち合わせで、裁断したあとのフィルムに印字をする必要があるので、印字(インクジェット)の機械も新しく設置したいというお話が出ていました。
    そこで、以前から弊社と取引があり信頼できる中国大手のインクジェットメーカーさんをご紹介し打ち合わせに同行していただきました。
    インクジェット業者さんには事前に、フィルム裁断機から印字をおこなう機械までの距離やその動線、機器から機器への制御コントロール信号が受信・送信可能か、製品の納入先によって文字の大きさや印字する場所が違うが対応可能か、ということをお伝えしておいたので打ち合わせはスムーズに進めることができました。
    次回はご担当者様に日本に来ていただいて、仕様通りの裁断がきちんとできるかどうかの最終確認、それがクリアできたら、工場内で再度入念なチェックをおこなって、いよいよ納入という流れになります。

    恵州の加工業者様を訪問

    つづいてこの日、二社目に訪問したのは、恵州にある加工業者様です。
    こちらの会社は3年前から弊社のフィルム裁断機を使用してくださっています。
    今回は、納入機の現在の状態と、フィルムの生産状況、3年間使ってみての感想などをお伺いします。

    スマートフォン用偏光フィルムの裁断・加工と研磨をおこなっていて、毎日忙しくフル稼働しています。
    お客様から「モーターのスピードが上がるとエラーがでる。エラーが出たら故障防止の機能が働いて、機械が一時停止することがある。それが現場にとって負担になっているようだ。なんとかならないか?」という相談がありました。

    7月11日 納入機確認

    問題点をお伺いしてすぐに、本社(日本)に電話し、トーコーの事務所と機械の設置場所(中国)をオンラインに繋いで遠隔操作で確認しました。
    その結果、うまく解消できました!
    パソコンさえあれば、遠く離れていても迅速に対処することができて本当に良かったと、とても喜んでもらえました。
    弊社では、機械を納品したら終了ではなく、納品後のアフターフォローにも力を注いでいます。
    そして、その他の納入機の現在の状態やフィルムの生産状況は、ともに良好とのことで、最終的には、弊社の機械を使って「生産能力がアップし、作業の自動化などが可能になり、今までより少ない人数での生産が可能になった。全体的に満足している」とのお言葉をいただけました。

    こういったお客様の喜びの声が直接聞けることが何よりもうれしいです。

    深センのフィルムメーカー様を訪問

    つづいて、本日の最後の訪問三社目は、深センのフィルムメーカー様です。

    7月11日 訪問

    こちらの会社は最近上場した企業で、業務拡大に伴い来年8月頃には新工場も完成予定だそうです。
    今回は、リピート機(前に納入した機械)の引合で、今回の打合せで、変更箇所、追加仕様を決定し、帰社後、最終見積を提出します。
    また、訪問前の機械製作納期の確認の中、購入備品に予定以上の納期が掛かかる事が分かっていた為、納期に関しては、前回以上の日数がかかる事を説明しました。
    ビジネスにおいて、とくに時間の感覚(早い・遅い)というものは、お国柄や個人個人の感じ方でも変わってくるものなので、はっきりと明確にしておくことをいつも心がけています。

    そして、打ち合わせの後は食事にもご招待していただきました。

    お食事

    7月11日 食事招待されたときの様子

    中国では地域によって料理の味付けが違うのですが、久々に辛い料理をいただきました。
    とてもおいしかったです!ごちそうさまでした。ありがとうございました。

    楽しい食事の会話の中で、「中国では、トーコーの製品は30年以上もつと言う評判がある。ただ、時代の流れが早い現代、そこまで長く使い続ける必要はあるのか?それよりは、価格を低くしてライト版の検討があってもいいのではないか?」
    と、現場からのリアルな声が聞けました。
    とても参考になるご意見をいただけました。弊社でも適切に対応していきたいと感じました。そのほかにも、いろいろな意見交換ができてとても実のある食事会になりました。

    深センからアモイへ移動

    翌日12日。この日は、中国新幹線で深センからアモイへ移動します。
    台風が接近していたので、予定よりも早めに出発しました。

    アモイへ移動中、新幹線の窓の外は晴れている。

    深センは晴れて良い天気だったのですが、到着したアモイは大雨。

    アモイでは雨だった

    アモイのフィルム裁断加工業者様を訪問

    4〜5時間かけてアモイに到着。

    この日の訪問先は、アモイに新設されたフィルム裁断加工業者様の工場です。
    現在1台の注文を頂いており、工場計画としてもう1台受注してくださる予定なのでその打ち合わせに伺いました。

    新設工場なので、まだ工事中だということもありCADや図面を見ながら、全てをゼロから一緒に作っていきます。

    アモイの工場の様子

    注意点としてこちらからは、機械本体の重量があるので土台の補強(基礎工事)の重要性について細かい部分をきちんと説明させていただきました。
    最初は2階に機械設置をお考えでしたが、機械の特性を考えると2階に設置するのは生産面や基礎工事の観点からあまりお勧めはできないので、1階に設置してはどうかと提案させていただきました。
    また、裁断加工の作業を、まずは1ラインで、徐々に2ラインに増やしたいとお考えだったので、生産ラインについても先見性を考えながら提案をさせていただきました。

    訪問先の工場のあるアモイ(福建省)は烏龍茶が有名なところ。おいしいお茶を振舞っていただきながらの打ち合わせは、新しい工場ということで担当者様もまだまだ分からないことが多いとのことだったので、弊社の経験やノウハウをお伝えして、先方さんも納得し満足していただける内容の深い良い打ち合わせができたのではないかと思います。

    出張第一弾はこれで終了。いったん帰国し、次は17日から19日まで上海に出張です。

    後日に上海の企業様を訪問

    17日上海に到着。
    ここでも訪問先の企業様へは、現地の商社の方が同行してくれます。

    今回の出張スケジュールは、まず、初日に現地の商社の方と会って打ち合わせをし、次の日に自動車内装関係の加工会社様を訪問する予定です。

    実は、現地の商社の方との打ち合わせの中で、最近中国全体で(上海などの都市部ではとくに)、環境配慮のために自動車塗装に使用する塗料の規制が厳しくなっていて、今までは使用可能だったものが使えなくなって困っているとの相談がありました。
    その対策として自動車業界では、今までの塗装方法の代わりに加飾フィルムの使用が検討されはじめていると教えていただいたので、弊社が製造している加飾フィルムの成形機についてのお話しも追加でさせていただきました。

    中国の自動車内装メーカー企業様を訪問

    つづいて翌日は、中国の自動車内装メーカーの企業様を訪ねました。
    こちらの会社は今回初めて訪問させていただきます。

    自動車内装メーカーの玄関

    とてもおしゃれなインテリアの会社です。

    自動車内装メーカー企業にあるクルマの看板

    ここでは自動車のエンブレムを成形する機械のお話をメインに、昨日商社の方と話題になった塗料規制のお話、その他にもた<さんのことをお話しさせていただきました。

    今回の出張を振り返って

    上海出張で感じたことは、実際に足を運んで、信頼できる現地の商社の方と話をしたりお客様と会話をしたりする中から、最新のお国事情や規制情報、問題点をいち早く把握し、それに対する弊社のノウハウや技術、情報を的確にお客様に提供できたことが良かったと思いました。

    現在トーコーは海外に拠点(支店)は持っていませんが、私をはじめ他の社員も現地に足を運び、また実際に担当者の方に弊社(日本)に来ていただいて、中国をはじめ海外での営業活動を積極的におこなっております。

    今回の2つの出張を振り返ってみると、今までトーコーの取引相手は大手企業様が多かったのですが、裁断に関しては需要の拡大やニーズの変化によって小規模事業者様も増えてきているように感じました。
    小規模事業者様に対しては、スタッフ数の少ない工場での生産技術の向上やノウハウなどを提供しながら一緒に成長していけるといいなと考えています。

    また、中国出身の私が現地に行くことについて、中日両国の価値観を理解して文化の違いなどのバランスをとりながら、これからもお客様に役立つ製品や情報を提案していきたいです。

    いまや「世界の工場」ともいわれる中国。
    日本の機械を販売・納品するだけではなく、これまでの経験を通じて培ってきた弊社の技術やノウハウの提供、アフターフォロー、すべてにおいてお客様に満足していただけるよう、これからも頑張っていきたいと感じた今回の中国出張でした。