★定期点検★圧盤前後移動式裁断機:HDCタイプ
日頃より「トーコーさんの機械は古くなっても十分現役で長持ちですね!」とお褒め頂きます。
ありがたい。本当にうれしいお客様の声です。
ただ、トーコーの機械に限らず何事も定期的なメンテナンスと毎日の点検が、長持ちのカギです!!
今回は、定期点検について(圧盤前後移動式自動油圧裁断機HDCタイプ)重点ポイントを中心にご案内します。
毎日の稼働前点検に。
あれ?いつもと調子が違うぞ?という時の確認時に。
ご参考いただけたら幸いです。
実はシリーズ化しつつある定期点検のおすすめコラム。
お使いの機種ごとに、過去ページをご参照ください。
🔳SHDC編:★定期点検★自動油圧裁断機:SHDCタイプ
🔳SFDC編:★定期点検★自動油圧裁断機:SFDCタイプ
稼働前点検(毎日)確認してほしい箇所
まず第一に、機械の命ともいわれるオイル・グリスに関して、日常点検の肝としてこまめに確認してください。
オイル漏れ、グリス切れなどが機械そのものの不具合の原因になることも多いので、故障を未然に防ぐためにも注意する価値ありです!
①注油ポンプの吐出確認
本体側面のオイルシグナルの赤いボールが、圧盤下降時に浮き上がるかどうかの確認。
機械電源を入れて運転開始の都度、目視確認するクセを付けていただきたい。
②スイッチ類の動作確認
特に非常停止スイッチの正常な作動の確認。
緊急停止時に必要な動きです。万が一の事態に作動しないのでは大問題につながりかねませんので、普段そんなに使用頻度がなくとも確認を。
③摺動部の給脂
摩擦による摩耗を防ぐ為にも、緩衝部分のグリス給脂の確認を。
圧盤スライド時の異常原因。
いつもと違う音がする・スライドしない・スムーズに動かないなどに繋がりますので、給脂が十分であるかをこまめに確認してください。
方法⑴ グリースニップルよりグリースガンにて給脂
圧盤を上昇させ、本体カバーの丸穴とグリースニップルとの高さを合わせる。
その穴からグリースガンを差込み、給脂する。
この時、圧盤位置を合わせておくことを忘れずに。
(給脂部と圧盤が密着した状態でないと、グリスがうまく馴染まないため)
本体両側面前後に2ヶ所注油口
※旧式(従来タイプ)はグリースニップルが両側面に1ヶ所ずつ。
方法⑵ 摺動部に直接スプレーグリスを塗布
いずれかの方法で給脂して、圧盤を前後スライドさせながら、余分なグリスを拭き取ってください。
シリンダーからの油漏れ点検
メインシリンダーのロッドから油が流れていないか。
油漏れによって直ちに機械停止とはならないですが、裁断精度に悪影響となり、ゆくゆく切れなくなります。
パッキン交換の必要が出てきますので、早めの発見が肝要です。
油圧ホースの確認
油圧ホースの金具部分のゆるみはないか。
ホースの裂けている個所はないか。⇒裂けていたら油が吹いているので一目瞭然でしょうが(笑)
継ぎ目部分からの滲み、油漏れも
各部グリス給脂の確認
摩擦による摩耗を防ぐ為にも、緩衝部分のグリス給脂の確認を。
①ラックギヤ、ピニオンギヤ
圧盤移動用ラックギヤとピニオンギヤにグリスを塗布する。
②チェーン部
圧盤移動用チェーンへグリスを塗布する。
③ネジ軸
リミットスイッチボックスの裏面、ネジ軸へ注油する。
制御盤内配線の点検
制御盤内の電気配線、端子の焼け付きはないか。
取付ネジのゆるみはないか。
制御盤スイッチ系統の動作確認。
※常に自動運転にしていて、いざ手動にスイッチ切り替えた時には機能しなくなっていた。
などという事例もあります。
エリアセンサーの動作確認
安全装置として、エリアセンサーが正常に作動しているかの確認。
裁断時にとっさに手が出てしまうことも!
うっかり挟まったりするリスク回避の確かな安全装置です。こまめに動作チェックしてください。
前面エリアセンサー
非常停止ボタン点灯
各部ボルト・ビス・ナットの点検
ボルト類のゆるみ、欠損等の確認
長寿命な機械の為に。
お客様に長く愛用していただけることは、非常にありがたいことです。もちろんメーカーとしては車と同じく、ある程度で入れ替えしていただけないと~というジレンマもありますが(笑)
とはいえ、トーコーの機械が長持ちする理由のひとつには、お客様自身の日頃からの細やかなメンテナンスの賜物であると思います。
大きなトラブルもなく、長くお客様の生産のお役に立てますよう、今後とも定期的な点検をよろしくお願いいたします。