スタッフブログ

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熱成形とは?

製品情報

    熱成形とは?

    みなさんこんにちは。
    普段生活を送っていく中で,食べ物や飲み物の容器を目にしない日はないのではないでしょうか?この食品用の容器を”食品トレー”といい,熱可塑性のある樹脂シートを熱成形して形づくられています。

    食品トレーはコンビニやスーパーなどで意識して探してみると弁当はもちろん,ジュースの容器,キムチ,豆腐,野菜からデザートまで数えきれないくらいの量と種類があることに気づくと思います。それらの食品トレーは中に入れる食品によって材質も形状もすべて考えられて作られているのです。

    様々な食品トレー

    私どもトーコーではそんな食品トレーを熱成形する機械をご提供させていただいておりますが,
    多種多様な材質や形状の食品トレーに,いかにして対応しているのか?
    また,
    トーコーの熱成形機へのこだわり
    に関して少しだけでもご紹介していきたいと思います。

    熱成形とは

    熱可塑性のある樹脂を加熱し軟化している時に,圧空,真空,金型,プラグ等で外力を加え変形させ,それを冷却することで任意の形状に成形することです。
    ※熱可塑性:加熱すると軟化して変形しやすく,冷却すると(または常温状態だと)固く変形しにくい性質。
    外力の種類によって,真空成形,真空圧空成形,プラグ成形などと細かく分類されています。

    加熱方式にも何種類かありますが,トーコーでは特に”輻射加熱方式”と”接触加熱方式”を得意としております。

    熱成形アニメーション

    輻射加熱とは

    熱の伝わり方の一つに”熱輻射(熱放射)”というものがあります。熱輻射とは,あらゆる物体は自身の熱エネルギーを電磁波として放出している現象の事であり,その電磁波を他の物体が吸収することで熱が伝わるのです。

    身近なモノで例えると,真夏の猛暑日のアスファルトを思い出してください。太陽から放たれた太陽光(電磁波)がアスファルトに届き吸収されることで高温になります。
    つまりアスファルトは太陽からの熱輻射によって加熱されているのです。

    太陽光による輻射加熱

    トーコーの輻射加熱式ではヒータから遠赤外線を放射することでシートが加熱しています。
    さらにシートを上下から挟み込むようにヒータを配置することでシートを両面から加熱し効率の良い輻射加熱を実現しているのです。
    そしてこの加熱方式を採用している機械の内,主力製品となっているのが真空圧空成形機と真空成形機です。
    (参考:真空圧空成形機(TFP-T)製品ページ

    接触加熱とは

    熱輻射とは別の熱の伝わり方に”熱伝導”というものがあります。
    熱伝導というのは2つの物体間あるいは1つの物体の内部に温度差がある場合,高温側から低温側に熱が伝わる現象の事です。

    先程の例でいうと,高温になったアスファルトを手で触った時,アスファルト(高温側)から手(低温側)に熱伝導が起こり,熱さを感じるのです。

    アスファルトからの伝熱

    トーコーの接触加熱式の機械は熱板圧空成形機で,高温にした鉄板にシートを接触させることで熱伝導による加熱をしています。
    この時,鉄板とシートの間の空気を真空で引くことにより完全に密着させ効率よく,かつ均一に熱が伝わるようになっております。

    熱板成形機の加熱方式

    (参考:熱板圧空成形機(TFC)製品ページ

    多品種の成形の実現

    冒頭でお伝えしたように食品トレーは多品種にわたります。
    ここからはトーコーの熱成形機がいかにして多品種の熱成形を実現しているのか少しだけご紹介していきます!

    多様な金型への対応

    食品トレーの成形には金型の存在は欠かせませんが,食品トレーの種類と同じ数の金型が存在します。
    そしてタテ×ヨコの寸法(成形面積),高さ,真空穴の位置,ノックアウトの位置,金型を取り付けるサブベースの寸法,etc. 成形する食品トレーやユーザー様によって様々です。
    そこでトーコーでは成形面積や金型の仕様を細かく確認し,機械の仕様を金型に合わせて製作しているのです。

    金型への対応

    細かいデータ設定

    食品トレーの成形には圧空や真空といったエアーの設定は欠かせません。特にハイサイクルで安定して美しい成形を出すためには1/100秒単位でエアーのタイミングを調整する必要があります。
    トーコーの熱成形機はすべてのエアーのタイミングを細かく設定でき,排気するタイミングまで調整できるようになっています。細かい調整によってシビアな成形をハイサイクルで実現できる機械になっているのです。

    タイマー設定画面

    また,ヒータの設定に関しても細かく調整が可能で熱板機では30枚,圧空真空機では324枚を全て1枚ずつ温度設定が可能です。
    例えば真ん中の方はしっかりと加熱できているが外側の部分は加熱が足りないといった時も,外側の部分だけ温度を高く設定することが可能になっております。

    ヒータ設定画面

    パターン登録

    細かいデータ設定やタイマー設定ができたとしても,それをすべて覚えておくことは不可能ですし,紙媒体に記入しても金型交換の度に入力しなければなりません。トーコーの熱成形機ではパターン登録機能を標準で搭載しており,各パターンには任意の名称を付けることが可能です。つまり金型交換の際は登録した情報を呼び出すだけで良く,データの入力をする必要はありません。
    しかも100~300件のパターン登録に対応可能ですのでデータ数の不足もありません。

    パターン登録画面

    トーコーの熱成形機へのこだわり

    ユーザー様が所持されている金型を無駄にしないために,金型の仕様に合わせた機械づくりに我々は力を入れてまいりました。仕様によってはサブベースの寸法が複数種類あっても1台で対応できる機械もあります。
    金型以外の部分でも使い勝手や安全性など様々なご要望にお応えし,機械を製作してきました。その対応力が我々トーコーの強みであり,ご評価いただいている部分かと思います。

    そして対応してきたノウハウを生かし,より良い機械へと日々進化させております。
    新たにトーコー製の熱成形機の導入をご検討いただいている方は勿論,すでに納入済みのユーザー様もさらに進歩した熱成形機をぜひお試しください!

    関連ページ

    🔳真空圧空成形機(TFP-T)製品ページ
    🔳熱板圧空成形機(TFC)製品ページ